●京都駅南口駅前広場のリニューアル計画が発表!!
本日のまちづくり委員会で、京都駅南口駅前広場のリニューアル計画の詳細案が発表された。京都駅南口は京都市の玄関のひとつ。京都駅の北口は駅ビルの建設等で整備が進んでいる。しかし、南口は高度成長期に整備が進められ、雑然としており、利便性も高くない。そのため、歩行環境の拡充、公共交通へのアクセスの向上などを目的とし、南口の再整備をする。八条通の車線を6車線から4車線に減らし、待ち合わせ広場、庭園ゾーンなどの整備を計画している。そのひとつが京都市内初の地下式駐輪場である。
●地下式駐輪場って何??
地下式駐輪場は、東京都江戸川区の葛西駅前のサイクル・ツリーの評価が高い。2008年4月、江戸川区は約70億円を投資し、9,400台もの駐輪場を整備した。この駐輪場は土木学会賞、全建賞、全国街路事業促進協議会会長賞などの国内の評価だけでなく、国際的な評価も高い。英国のガーディアン紙は「Has Japan designed the world’s best bike shed?」とのタイトルの記事でこの駐輪場を絶賛している。京都市では駐輪場が慢性的に不足している。地下式駐輪場は京都市の不足する駐輪場の整備に貢献するだろうか。
●621台で4億5千万円!!
京都駅南口では3基の地下式駐輪場(621台)の建設を予定。1基あたりのコストは1億5千万円。総額で約4億5千万円となる。南口の再整備の総額が25億円であるため、その約20%を駐輪場の建設に投資することになる。京都市内の駐輪場の整備は着実に前進をしている。しかし、まちなかを中心に駐輪場の建設を求める声はまだまだある。土地が不足するまちなかにおいて、地下式駐輪場はその解決策となる可能性がある。しかし、建設費が1台あたり約72万円と高額であり、財政状況が厳しい京都市にとってはハードルが高い。
●自転車行政のあり方とは??
京都市営の駐輪場の場合、1日1回150円である。この利用料金だけでは、維持管理費だけしか支えられず、建設費用は別途必要となる。駐輪場の建設費は受益者負担の観点で利用者が負担すべきだろうか。それとも税金で支えるべきだろうか。この問題は今後の自転車行政を考える上で重要である。市民の自転車行政に対する期待は高い。交通体系における自転車の位置づけ、受益者負担のあり方などを検討しながら、自転車行政のあり方を考えたい。
●参考文献
京都市(2012)「京都駅南口駅前広場の整備について」。
JFE(2010)「立体式駐輪場 サイクルツリー」。
http://www.jfe-steel.co.jp/research/giho/025/pdf/025-25.pdf
江戸川区(2007)「葛西駅地下駐輪場整備事業(事務事業分析シート)」。
国交省(2011)「自転車駐車場整備の新たな展開について」。
http://www.mlit.go.jp/common/000145824.pdf