競争原理のある人事制度を

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●係長認定試験の受験率はわずか23%!!
京都市の人事制度は、24年度から管理職以上の職員を対象に、成果主義を導入した。業績により翌年度のボーナスが変動する。25年度からは、この業績によるボーナスの変動は、全職員を対象に導入をする予定。このように、職員の意欲を高める人事制度がスタートするなど、本市の人事制度は着実な進歩している。しかし、本市の係長認定試験の受験率は低迷を続ける。平成20年度より受験率は微増をしているものの、その受験率はわずか23%。本市だけではなく、全国の自治体で「昇格をしたくない症候群」が蔓延しているのだ。

 

●出世しなくても給与は同じ!?
その原因は、給料表をグラフにすると一目瞭然だ。役職間の給料月額がかなりの部分で重なっているのだ。つまり、出世をしなくても、給料は上がる。一方、出世をすると、給与はさほど変わらないが、責任はどっと重くなる。だからこそ、「昇格をしなくない症候群」が蔓延をしているのだ。しかし、民間企業では役職に応じて、給料水準が異なり、役職ごとの給料の重なりがないのが一般的だ。それが競争原理のひとつとなるのだ。一方で、例えば、心理学者であるエルトン・メイヨーのホーソン実験が示す通り、必ずしも、給与水準の上昇が仕事へのモチベーションにつながるわけではない。ホーソン実験では生産性の向上には人間関係が重要であることが示されている。

 

●競争原理がより働く給与体系の構築を!!
とはいえ、毎年の労使交渉の中心が賃金水準であることが示す通り、給料が仕事へのモチベーションに与える影響は間違いない。もちろん、給料表の見直しは、一定実施をしている。しかし、給料の重なり幅はまだまだ大きく、昇格へのインセンティブを低下させていると言わざるを得ない。事実、本市の場合、職員の約半数が「主任」以下の、所謂、「平」で退職しているのだ。職場の適切な競争環境は組織力の底上げにも貢献する。行政職をはじめとする給料表の重なり幅をより一層に縮減すべきだ。そして、民間企業の年俸制の概念を取り入れるなど、競争原理がより働く給与体系の構築が行財政改革に必要不可欠だ。

 

(平成25年2月27日 本会議)

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